日本万国博覧会(万博)が1970年に大阪で開催されました。
それを記念して大阪城本丸跡の地下に2つのタイムカプセルを埋めています。
万博のタイムカプセルの場所(アクセス)やその説明、タイムカプセルの中身についてご紹介します。
万博タイムカプセルの説明
「人類の進歩と調和」をテーマとした日本万国博覧会を記念して、毎日新聞社と松下電器産業株式会社が同じ内容のカプセル2個を完成し、この地下15mに埋設しました。
日本や世界の人々の協力を得て選んだ20世紀の文化所産2098点が、最新の保存方法で特殊金属製容器に収納されています。
世界の平和と繁栄を信じて、5,000年後の人類にこれを残します。
上部のカプセルは毎世紀初頭に、下部のカプセルは6,970年に開封することを願います。
参考:タイムカプセルEXPO'70の説明文を要約
万博のパビリオンの一つ、松下館は「伝統と開発」がテーマで、この「タイムカプセルEXPO'70」を正面に展示してました。
そのタイムカプセルを2個、大阪城本丸の地下15mに埋めています。一つは毎世紀の初頭に、もう一つは1970年から数えて5000年後の6,970年に開封されます。
大阪万博タイムカプセルの説明の中に、現在どのように埋められているのかが絵で載っていました。
それによると上部は地下7〜9mあたりに埋められ、もう一つの下部のタイムカプセルは11m〜15mあたりに埋められています。
解説図によると上部は毎世紀開封されるのでタイムカプセルの周りは1+1=2重壁ですが、下部のタイムカプセルは6970年になるので1+3=4重の壁で覆われています。
上部のタイムカプセルは毎世紀初頭に開封するということで、第一回目の開封が21世紀(2000年)に行われています。
発掘方法や開封、本体の取り外しなどが注意点も含めて記録書に紹介されています。
万博タイムカプセルの中身は?
色々なものがタイムカプセル内に埋められています。自然科学、社会、芸術、その他の大きく4分野に分かれています。
- 今回のために企画・製作されたもの
- 5000年を刻む時計
- 当時のたくさんの学者たちによる「未来へおくる科学レポート」や「未来へおくる化学統計資料」
- 総合地図「アトラス日本と世界」6か国語の現代風ロゼッタ石
- 映画「表情1970」
- 近代日本文学短編
- 落語などの大衆園芸の録音テープ
- 当時小中学生の作文と図画
- ユネスコを通して集められた世界の児童画
- 5000年後の人々へのメッセージレコード
これらを含めた2098点がタイムカプセルに埋められています。
大阪万博タイムカプセルを開封
第1回のタイムカプセル開封は2000年3月15日に行われました。約1ヶ月の準備期間を経て掘り起こしが行われ、松下電器に収納物が運ばれました。
中身は上で紹介されたものもありますが、当時のテレビや炊飯器などの電化製品なども含まれています。家電製品は問題なく正常に作動しました。
ほとんどのものが埋め立てた時と同じ状態を維持していたそうです。タイムカプセルの性能の良さを感じますね。
その後は、11月に再び同じ場所に埋設されています。第2回の開封は2100年初頭に行われます。
なぜ大阪城にタイムカプセルが埋め立てられたのか?
どこにタイムカプセルを設置するのかについては、日本アルプスの岩盤中、月、南極、海中なども候補にありました。
その中で大阪万博が開かれた千里丘陵が候補に挙げられました。しかしこの場所は都市開発が高まることを予想して回避されました。
その次に大阪城公園が候補になります。ここは安定した地層で特別史跡に指定されていることから、都市開発の影響や無用の改変は行われないと判断し決定しました。
万博「タイムカプセルEXPO70」の場所・地図(アクセス)
日本万国博覧会を記念して埋められたタイムカプセルは大阪城天守閣の丁度目の前、本丸の位置にあります。
大坂城天守閣の真正面に万博タイムカプセルが埋められています。真正面ということもあり、この場所は記念撮影スポットになっています。
参考:大阪城公園案内図より
地下鉄谷町四丁目からは大手門から入り多聞櫓を越え桜門に入りましょう。森ノ宮駅からは玉造口を入り西へ行くと桜門があります。
天満橋駅は外堀沿いを歩き大手門から入りましょう。後は谷四の行き方と同じです。
JR大阪城公園と地下鉄「大阪ビジネスパーク駅」からは大阪城ホール横から極楽橋を通り、山里丸から大阪城に向かいの本丸跡の方に行くとタイムカプセルがあります。
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